「世界標準」って何だろう?

2008年08月18日

 北京オリンピックも佳境に入っている。
 柔道や体操はお家芸と言えるだけの成果を残し、競泳も北島康介の2冠や松田の銅メダルなど強化の成果が結果に結びついたと言ってもいいのではないだろうか。反町ジャパンは残念ながらというか、予想通りというか、グループリーグ敗退になってしまったけれど・・・。

 で、ふと思った。「世界標準」って何だろう?

 一番違和感を感じたのがやはり柔道。今や柔道はJUDOになってしまって、悪く言えば効率重視のただ勝てばいい競技に変貌してしまったように思う。100キロ超級の石井慧が「自分は一本にこだわらない」と言っていたことがあったように思うが、それが「世界標準」のJUDOということなのだろう。ポイントを奪って、というよりも相対的に相手がマイナスの状態になり相手が攻めざるを得ない状況にしておいて勝つという戦術は一貫していたように思う。
 もしこれで金メダルが獲れなかったらきっとかなりのバッシングを浴びていたように思う。決勝こそ優勢勝ちだったが、2回戦から準決勝までは一本勝ちだったことで、世界標準に適応しつつ日本の柔道を見せつけたとも言えるのではないだろうか。
 一本が獲れなくても勝ちは勝ち。だから無理に一本を獲りに行かずともリスクの少ない戦い方で勝利を目指すという考え方はある意味合理的で正しいことなのかもしれない。でも、こと柔道に関しては、「やっぱり一本を獲らなきゃニッポンの柔道じゃない、勝ってもそれは良い勝ち方じゃない」というのは多かれ少なかれあると思う。美学というかロマンティシズムというか・・・。今はそれでもいいかもしれないが、近いうちにそういう考え方は世界からは甘いと言われるようになるのかもしれないと思うと、寂しさを感じてしまう。

 そして、サッカー。
 メダルを目指すなんて報道がやたら目立ったように思うが、いくら僕でもそれを信じるほどおめでたくはないつもり。だって、オーバーエイジの選手の起用に失敗してしまった上に、相手はアメリカ・ナイジェリア・オランダと、ともすれば名前負けしてしまいそうな国ばかり。アメリカに勝つのがグループリーグ突破の最低条件なのは僕のようなシロートでも想像のつく話。
 しかし、緒戦のアメリカ戦に負けてしまった時点で事実上終戦を迎えてしまった。それ以降は大方の予想通りの結果。実際に試合を見たのはアメリカ戦とオランダ戦の前半30分くらいなので、これだけであーだこーだ書くのはちょっとルール違反な気もするが、ひとつだけ言うなら「反町ジャパンはどういう戦い方をしたかったのだろう?」ということ。
 アメリカ戦の前半はシロート目にも巧くやれていたように思う。たらればなシーンもあった。ナイジェリア戦も結果だけ見れば0-2ではなく、1-2にしたことにそれなりに意味はあったとも思う。オランダ戦も「造反」することで選手たちがまとまって戦うことができたのかもしれない。
 でも、「世界との差があった」というコメントを目にする。じゃ、世界標準って何だろう?
 シロート目線でいくら考えたって明確な答えが出せるワケじゃない。ただ、なでしこジャパンを見ていると、世界標準というシロモノは実はそんなに高度なモノじゃなくて、基本的なことができているかどうかということだけなんじゃないかとも思うのだ。しっかりボールを前で止めることができるとか、パスを相手にきちんと出すことができるとか・・・。
 「世界標準」と聞くと高度ですぐには手の届かない存在とつい感じてしまいがちだが、ものすごく楽観的に考えると実は案外そんなに差はないんじゃないかと思うのである。それがいつでもできるか、高い意識を持っているかというところで違いというか「差」になるんじゃないかと思うのである。

 ・・・ありきたりな結論だなあ(苦笑)。


この記事に対するコメント一覧

whiteowl

Re:「世界標準」って何だろう?

2008-08-19 00:31

いあ、在り来たりの結論じゃないですよ(笑)。 突き詰めれば、世界との差はボールを止める蹴るといったところや、 ボールのないところでの動きの質だと思います。 世界のトッププレイヤーは、基本が非常にうまい。 例えば、未だに記憶に残っているのはリバプールのジェラードが、相手DFラインに対して きれいに斜めに走って(ダイヤゴナルラン)オフサイドにならないようにしながら スルーパスのタイミングをより長く作り出すという基本を 教科書に載るんじゃないかというくらいめちゃくちゃ綺麗にやってましたね。 ボールを止めるにしても、ぴたっと止めることは当たり前で、 次、どこに蹴るかまで考えてボールの置き場所を考えている。 プレッシャーのないところなら日本の選手もできるでしょうが、 要はプレッシャーのきついところで、これができないと意味がない。 これは、判断のスピードとも関係があるので、より高いレベルで試合をつめば 身につけられる技術でしょうけれど。中村や中田は普通にやってましたしね。 サッカーに限らずそうですが、やはり基本が大事だと思います。

フラッ太

whiteowlさんへ

2008-08-19 11:05

 ダイアゴナルランってそういう動きだったんですね。1つ勉強になりました。  岡田監督のスパサカでのインタビューで、「内田は(ボールを)横でなく前で止められるのがすごい」というのがあったように思います。  ジーコは「シュートはゴールへのパス」と言っていたような・・・。  オシム翁は代表合宿でたくさんの色のビブスを選手に着せて練習させたと聞いたことがあります。  代表の選手は一定の水準を持っているから呼ばれるわけで、そこからいわゆる「連係」とか「戦術」とか「システム」を築き上げていくわけで・・・。ただ、それが厳しいシチュエーションでできるかが問われているのかなあ、と。  あと、ニコ動で中田のプレー集を見たんですが、中田って「倒れない」んですよね。相手にコンタクトされた時もそうですけど、ボディーバランスが素晴らしいというか・・・。本田圭佑が半ばわがままを押し通す形でオランダに出ていったのも、日本にいたままでは自らの進歩が望めないと危機感を持ったからだと思うんです。発言の仕方には問題があるとは思いますけど(苦笑)。  このあたりはやたらと笛を吹いてプレーを止めてしまう世界標準とは隔たりのあるJのレフェリングの問題も大きいと思います。秋春制よりも喫緊な問題でヘタにカレンダーを動かすよりよほど選手強化に役立つと思うんですけどねえ、と毒を吐いたりして・・・(苦笑)。

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